昔ながらの雰囲気が残る「寝具のあいはら」さんに行ってみた

公開日:2021-02-08

小山町を愛する人々「オヤマニア」

小山町を愛する人々。We are OYAMA(以下wao)ではそんな人々を「オヤマニア」と呼んでいます。このコーナーでは小山町内外のオヤマニア達にインタビューし、小山町の魅力や歴史、おすすめの過ごし方などをご紹介します。
第一回目の今回は昭和26年創業「寝具のあいはら」さんの三代目 相原 正和さんにインタビューです!

wao:本日はよろしくお願いします。早速自己紹介からお願いします。

相原さん:相原正和(あいはら まさかず)です。駿河小山駅から徒歩3分の場所でふとん販売のお店、有限会社あいはらを経営しています。三代目になります。地元では「寝具のあいはら」と呼ばれています。趣味はメダカの飼育です。よろしくお願いします。

wao:三代目ですか!相原さんは小山町にはずっとお住まいなんですか?

相原さん:そうですね。学生時代も静岡の専門学校まで通学していましたから、ずっと小山町には住んでいますね。

wao:確かに静岡でも通えちゃいますからね。東京に通う人もいますし。それでは小山町のことはとても詳しいと思いますので「寝具のあいはら」さんのお店周辺の歴史を簡単に教えてください。昭和の頃はこの駿河小山駅周辺は富士紡績の発展でとても栄えていたとお話をよく耳にしますが、町並みとしては当時と比べてどのくらい変わっているのでしょうか?

相原さん:落合通りや駅前通りは変わりましたが、このお店の周辺はそこまで変わってはいないかな?それでも子供のころまでは駄菓子屋さんや八百屋さんなどの商店がありましたね。これはそのときよりもっと前で昭和50年代のうちの店の写真なんですけど。

wao:わーこれすごいですね!花輪って今あまり見ないですけどこういうところからも活気が感じられますね。

相原さん:車のナンバーも当時は静岡ナンバーだったみたいです。当時のことは親父がすごく詳しくていつまでも話せると思います(笑)

wao:ほんとだ!陳列の方法やお客さんが当たり前のようにいる感じは、今の小山町にはあまりないですよね。こんな時代に住んでみたかったです。是非またご主人にもお話を聞いてみたいです!

「品質本位」で嘘のない商売がこだわり

wao:それではお店について教えてください。「寝具のあいはら」さんの創業はいつでしょうか?

相原さん:昭和26年です。当時は綿を仕入れて布団を作るところからスタートしました。

wao:ちなみにどうしてお布団屋さんをやることにしたのでしょう?

相原さん:最初は布団屋というわけではなく、軍手等の糸を使った製品を作ったりしていましたが事業の幅を広げようと考えたそうです。それで当時はどこの家庭でも布団を自分達で作ることは当たり前にあったので、綿を作る機械を導入してうちで作って販売しようということになりました。

wao:なるほど。家庭で作っていたものをお店側で作って販売したら売れそうですよね。当然品質もいいんでしょうし。ちなみに現在の「寝具のあいはら」さんではお布団の販売の他にどのようなサービスがありますか?

相原さん:はい。羽毛のリフォームや布団の仕立て、冠婚葬祭のギフトや寝具のレンタルもやっています。他には高齢でお店に来れないお客様のために送迎したり、ご要望に応じて訪問したり地域のお客様に寄り添ったサービスをしています。

wao:寝具のレンタルは、月単位でお貸しするんですか?

相原さん:いえ、例えばお正月休みなどで親戚が集まる時に、必要な時に必要な数だけお布団をお貸したりするサービスです。個人の方はもちろん、研修所などの施設からも注文があるんですよ。

wao:たしかに必要なときだけお布団を使いたい需要はあるかもしれないですね。最近は台風等の自然災害による避難も増えてきていますから、こういったサービスの存在も知っておくといいですね。看板商品や一押しの商品を教えてください。

相原さん:やはりうちの看板商品は「金時健康ふとん」です。

wao:あ、これは小山町民は一度は見てるんじゃないですかね(笑)

相原さん:富士山金太郎春まつりで妊産婦健康祈願の方に毎年抽選でプレゼントさせて貰ったりしています。これは子供にやさしい綿でできていて、子供がすくすく育つようにという願いもあって金太郎の柄にしています。

wao:本当にすごく縁起がいいですよね。柄も今風という感じではないですが気持ちがそのまま入っているような温かみがあります。子供がこの布団に寝てるのを見たら愛されてるんだなーとすごく思います(笑)プレゼントしてもいいですよね!

wao:相原さんは三代目とのことですが、いつ頃から事業を継承することを意識していましたか?

相原さん:子供の頃からそういう意識はありましたが、自分が継ぐというよりも家族みんなでやっていく感覚で考えていました。学生時代は経理をやろうと思って簿記を学んだりしていました。

wao:では事業を継ぐことへの抵抗はあまりなかったのでしょうか?

相原さん:全然なかったです。小さい頃から親父と一緒の車に乗って配達に行ったりしていたので、町の人と触れ合ったり布団に囲まれた生活は、自分にとっては当たり前という感覚でしたし、なにより小山に残りたい気持ちが強かったですね。

人が温かく子育てがしやすい町小山町

wao:それは素晴らしいですね。それでは小山町について教えてください。相原さんは小山町のどんなところが好きですか?

相原さん:小山町は人がみんな温かいですね。それに穏やかだし、治安もいい。

wao:そうですね。小山町の人についてお話がありましたが、相原さんは民間で教育委員会にも入られていますよね。子供達にはどんな印象をお持ちですか?

相原さん:子供たちは本当に素直です。学校が少人数だからみんな仲が良い。先生の目が行き届いてるんでしょうね。すごく子育てにはいい町だと思います。

wao:子供が素直というのは本当に思います。この前小山町に移住してきた方が仰っていましたが、移住の決め手は子供達を大切に育ててくれると思えたとお話をしていました。ご自身が子供の頃との教育の変化は感じますか?

相原さん:感じます。すごく子供達がまじめ!あとは中学の英語の授業がすごくて、日本語を話さない授業があるんですよ。

wao:ホントですか!?すごいですね。

相原さん:本当です。パソコンやタブレットも使ったりしてますから、先生が大変なんじゃないかなとも思いますね。

wao:先生が大変というのはたしかにそうですよね。

wao:では小山町の、もっとこうなればいいなと思う部分はどんなところでしょうか?

相原さん:町民が集まれるような場所が少ないところですね。でも最近は役場や民間で小山町を盛り上げようという動きが出てきていて、そこはすごくいいことだと思います。

「睡眠の質」や「物を大事に」の精神を伝えたい

wao:小山町を盛り上げることにも繋がってくると思いますが、相原さんは三代目としてお店をどうしていきたいとお考えでしょうか?

相原さん:そうですね。いい布団を長く大事に使ってもらうという物を大切にする気持ちや、「寝る」ことが人間にとっても幸せのひとつだと思うので、ある意味では眠る楽しさのようなものを伝えていけるお店にしていけたらと思います。

wao:今はIT業界でも「眠り」は注目されていてスリープテックという言葉もあります。近年ではヨガから派生して瞑想も流行していますから、「睡眠の質」は近い将来とてもホットなテーマになる気がします。

wao:これは小山町に限った話ではありませんが、少子高齢化やショッピングモール、ECサイトの台頭など時代の変化で多くの商店街や小売は打撃を受けているわけですが、そういう時代の変化による影響を感じることはありますか?

相原さん:もちろんあります。バブルの時期なんてそうでしたが、商品を置けばすぐ売れる時代も経験してきました。でもそれ以降は徐々にそういう勢いはなくなってきましたし、ネット販売が主流になってからは、地元の人が地元のお店を利用する習慣が薄れたように思いますし、消費者の思考としてもいいものを長く使うというよりも安いものを使い捨てるといった考えが強くなってきているように思います。それはどこのお店でも同じ状況だと思いますが。

wao:ネット販売に流れて地元のお店を使わなくなってしまうことは本当に残念ですよね。ですが最近少しずつ消費者の価値観も変わってきている気がしていて、ネットで何かを安く買うだけではなく、人との関係を通じた安心感や満足度も重要視する傾向が出てきているようにも思います。それはネット販売の仕組みを利用した悪質な業者の出現であったり、インスタグラムやフェイスブックなどの自分の体験を外部に発信できる仕組みが定着してきたことも背景にあるように思います。

相原さん:私自身もお客様とのコミュニケーションが好きですし、ネット上ではできない繋がりも楽しんで欲しいですね。最近では外国の方もお店に来てくれることがありますが、うちの商品を見てすごく楽しそうに反応してくれるんですよね。扱っているモノには自信があるので、まだうちのお店に来たことがない地元の人にも足を運んでもらえるような工夫をしていきたいです。

親子三世代が繋がる町にしたい

wao:相原さんが考える理想の小山町を教えてください。

相原さん:親子三世代で繋がりがある町が理想です。小山町は歴史のある町だからそういう部分を子供達に語り継いでいけば、そこに住む人たちはずっと小山町のことを好きでいてくれるし、町全体に一体感がでてくると思うんです。

wao:そうですね。町だからできることもありますからね!最後にメッセージをお願いします。

相原さん:是非地域のサービスを使ってみたり、地域のイベントに積極的に参加して欲しいですね。うちのお店にも足を運んでくれたらとても嬉しいです!

wao:本日はありがとうございました!

趣味のメダカ飼育用棚

冬でも元気に泳いでました!

まとめ

小山町には歴史があるお店がたくさんありますが「寝具のあいはら」さんも古き良き面影が残るお店でした。お店はフロア内にびっしりとお布団が並んでいて触ってみるとどれも柔らかくフカフカで、プロの選ぶ布団はやっぱりモノがいいんだろうなと思いました。それになんと言っても金時健康ふとんは小山町のみなさんに使って欲しい!快適な睡眠をとりたいとお思いの方は是非とも一度足を運んでみてはいかがでしょうか!?

寝具のあいはら

〒410-1311 静岡県駿東郡小山町小山693−1
0550-76-0248
ホームページはこちら

SNSでシェアしよう!