御殿場・小山の伝説

意外にあった地元の伝説

みなさんは昔ばなし好きですか?地元の昔ばなしや伝説、いくつ知ってますか?今日は御殿場や小山町の伝説が書かれた本のご紹介です。

ある昼食後の会議中、窓の外から雲を見上げ、「小山町に心霊スポットってあるのかな」と、ピュア目な30代らしいことを考えていたところ、『用沢小僧』というお話に出会いました。

知ってますか?用沢小僧。ざっくり概要を説明すると、

むかし小山町の北郷にいた超能力を持った青年で、有名になった結果、役人に目をつけられて殺されてしまったそうで、それ以降村に悪いことが続いたので供養した。

というものなんですが、実際に北郷小学校を富士山方面に登ったところに用沢小僧が祀られた『延命地蔵尊』があります。


延命地蔵尊

『御殿場・小山の伝説』

へえ〜こんな話があるのかと、その話の出典を見ると『御殿場・小山の伝説』との記述。なんでも御殿場市と小山町の言い伝えや伝説が書かれた本らしい。
これは読んでみたい!ということで、早速アマゾンで検索するも、在庫なし。発売日は1985年7月とのこと。知らないわけだ。。

うーんじゃあ、図書館にはあるかな?ということで小山町総合文化会館へ!

静岡県の資料が保管されている棚を探していると・・・ありました!

中学校でバスケ部だった著者でもさすがにあそこは届きません。焦らず騒がずクールに脚立を借りて、ようやくご対面!!

いよいよ読んでいきますが、思っていたよりポップというか、読みやすそう。はたしてこの本は「まんが日本昔ばなし」黄金世代の著者の期待に応えることができるのか。。


目次を見ると、冒頭の用沢小僧もありました。

最初のお話から読み進めていきましたが、どれもめちゃくちゃおもしろい!
これ、まんが日本昔ばなしだったら当たり回じゃないか・・・。全体的には少しだけこわい話になるのかもしれません。

ネタバレになってしまうので内容は書きませんが、むかしの言い伝えが堅苦しくない文章で、味のある挿絵とともに書かれています。
しかもすべて御殿場と小山町の話で土地感があるもんだから、余計におもしろい。

地元にあるお寺や神社がそこにできた理由、地名の由来、何故○○には同じ名字が多いのかなど、そんな疑問の答えやヒントがのっています。

息をつく間もなく約180ページの本を読み終えてしまいました。
これおもしろいなー。続編とかあれば絶対おもしろいけど流石にないんだろうなと思いながら再び本棚に戻ると・・・。


「続 御殿場・小山の伝説」!!

いやあんのかい!こちらは少し御殿場のお話が多かったかな?結局どちらも読んでしまいましたが、もうこれはとにかくおすすめです。小学3年生くらいなら自分でも読めるんじゃないかと思います。小さな子の読み聞かせにも◎。
自分の子供にも教えてあげたいし、なんで自分が子供の頃に出会えなかったのかと後悔すら感じました。

「御殿場・小山の伝説」は、執筆編集者に勝間田二郎さんとありますが、御殿場、小山の様々な人の協力を得て作られているんですね。きっと多くの人や場所への取材は相当に骨がおれる作業であったことは容易に想像できます。

またあとがきには次の記載がありました。

「これらの伝説は、遠いおばあさんやおじいさんが子供のころ、そのおじいさんやおばあさんから聞きつたえたものであります。それは何十年、何百年と御厨(みくりや)の人びとの心の中に温められてきたものばかりです。そうして、それを書くことが、この土地に育った私の宿願でありました。」

「この本をみなさんにおもしろく読んでいただき、一冊そなえていただければ、この地方の昔話を後世に伝える役目が果たせたことにもなり、この上ない喜びであります。」

ああ、ありがとう勝間田二郎さん。

まとめ

そして著者は気づきました。35年前にできたこの本は多くの協力者や地元の識者からお話を聞いて作られているわけですが、少子高齢化とともに日本中にあるこのような素晴らしい言い伝えや伝説が、語り継がれず地域の記憶からも消えていってしまっているんじゃないかと。

世の中は便利になっていく一方で少しずつ地域の特性や文化を失っています。
それが問題なのか、大した問題でないはないのか、私にはわかりません。
ただ東京からUターンで帰ってきたピュア系30代としては、それがたまらなく残念なのです。
そんな気持ちを抱きながら図書館をあとにするのでした。

ということで、「御殿場・小山の伝説」と「続 御殿場・小山の伝説」、小山町総合文化会館にお越しの際はせひ読んでみてください。
残念ながら本書は館内限定で借りることはできません。
また、本には経年からダメージもありますので、大切に扱いましょう。

地元の伝説を知っていることと、知らないのでは、地元愛の気持ちは確実に変わってくると思います。もし、これを見た学校の先生方などおりましたら、学芸会の劇などにこういった地域の伝説を取り上げていただければおもしろいのではと思いました。

あれ、これエビス印刷さんだ。地元のお話を地元の印刷屋さんが本にするなんて素敵ですよね。
なんとか増刷してくれないかな。

最後に本書の紹介を快く許可して下さった、勝間田二郎さんのご家族に厚く御礼申し上げます。